石渡宏道のひとりごと 代表コラム
偽装事件から内部統制の必要性をみる
また偽装事件で、企業が市場から退場しました。
牛肉偽装のミートホープは、社員の全員解雇と社長と会社の自己破産を申請しました。
消費者の立場でこの偽装事件を見ると、寒気がするほど食に対する不安を受けたと共に、ミートホープ社に対する強い憤りを感じました。
果たしてこの原因はどこにあるのか、経営の立場で考察してみたいと思います。
大きな原因の一つは、いくらワンマン経営と言え、ミートホープ社の組織内において、業務を適切に進めるための決まりごとがなく、組織の中の人々が勝手に業務を行っていたからでしょう。
いわゆる「内部統制」がまったく機能していなかったことにあります。
最近企業社会の中で最も重要な課題の一つとされているのが、この「内部統制」です。
かつては「企業統治」コーポレートガバナンスが主流でありましたが、今ではもっぱら新聞等でもこの「内部統制」が頻繁に登場しています。
「内部統制」とは「内部のコントロール」と言う意味で、組織の中に適切な決まりごとがあり、その決まりごとを組織に属する人がしっかり守っており、企業内に正確な記録が維持されているかどうかをチェックすることです。
この間までは、個人情報保護法への対応にエネルギーを費やしていましたが、今度はこの「内部統制」に企業は取り組まなければならない時代であります。
そもそも「内部統制」の歴史は、平成12年の大和銀行事件が発端です。これは、トレーダーがアメリカ国債の不正売買で1000億円の損失を発生させた事件です。この事件で株主代表訴訟が起こされ、当時の役員に800億円の損害賠償の判決が下りました。
経営者は自ら個々の業務やすべての従業員の行動を直接監視できないことはわかりますが、そうであるならば、自らに代わって業務や従業員の行動をチェックすることができる有効なリスク管理体制、つまり「内部統制」を構築する責任があると認定したのです。
「内部統制」は、企業の中に適切な決まりごとを設けて、様々な不祥事の発生を防ぐものです。すなわち「内部統制」は企業自体にとっても、業務における不測の事態に備える事前の安全装置として機能するものです。
今回のミートホープ社は、社長のワンマンで「内部統制」がまったく機能されていないことが大きな原因であると思わざるを得ません。従業員70人の中小企業も「内部統制」を怠ることで、組織が解体されることになります。
このように「内部統制」は決して大企業のためだけに存在するものではありません。今回の事件で、経営者は自社の重要な業務プロセスに関心を高め、業務に潜在するリスクに対応する体制を構築することを求められているのです。
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