石渡宏道のひとりごと 代表コラム
長寿社会の医療問題
この4月に、後期高齢者医療制度がスタートしました。
しかし、厚生労働省のPR不足とは言え、非常に評判の悪い制度と感じます。
茨城県医師会は「こんな高齢者いじめの制度を許せますか!」と医師会自体が猛反対しています。
反対の理由として
・75歳になったらこの制度に強制加入させられる
・年金から保険料が自動的に天引きされる
・保険料を滞納したら保険証が取り上げられる
・自由に医療機関を選べなくなる
・70~74歳の方も窓口負担1割から2割になる
(ただし、平成21年3月までは1割に据え置き)
と激しくアピールしています。
そしてお年寄りの負担をますます増大させ、「いじめ」の制度とまで言い切っています。
確かに今日本の医療費は増大しています。現在の国民医療費は32兆円です。2025年には56兆円(84兆円説もある)に膨らんでいくだろうと予測しています。そのうち老人医療費が現在の11兆円から25兆円になる見通しがあります。2025年には老人医療費が医療費全体の45%を占めることになります。
今回の後期高齢者医療制度の導入は、厚生労働省のこの将来見通しが前提で作られたものと思えます。
しかし誰でも歳は取ります。
歳をとれば生理機能も低下し、治療も長期化、複雑化するのは当たり前です。認知症問題、終末期医療問題等、高齢者独自の医療が存在することを国民全体が認識する必要があるのだと思います。
また、少子化・高齢化による人口構造の変化から、高齢者医療制度を再構築する必要性も重要です。
そして何よりもこの「後期高齢者」のネーミングはいかにも75歳以上の高齢者に対し、礼を逸する表現ではないでしょうか。
後期とは、広辞苑によると「最後の時期」とあります。後がないことを表す言葉です。
75歳以上の方は、かつて社会の為、家族の為、身を粉にし、貢献してきたのです。
古来から日本では、年をとることはめでたきこととして家族一同でお祝いしたものです。還暦、古希、喜寿、米寿等の慶事は日本の文化そのもののはずです。長寿医療制度に改まる方向ですが、ぜひ一考を願いたいのです。
いずれにしても、高齢者は将来に対する健康不安・生活不安を現実的に抱えています。
高齢問題は、誰もが避けられない大きな課題であることを考え、現役世代と高齢世代が共に支え合う仕組みで、長寿社会の医療問題を捉えたいものです。
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