石渡宏道のひとりごと 代表コラム
二兆円の定額給付
法人税、所得税の税率引き下げ議論とともに、消費税10%議論が活発になってきました。100年に一度ぐらいの厳しい金融情勢に伴う経済悪化がその背景にあるのでしょう。
税は常にその時々の経済・社会情勢を反映して変遷してきたわけですが、税制を語るときに、基本的な基準として「公平・中立・簡素」の原則で議論してきました。
「公平」の基準とは、様々な状況にある人々が、それぞれの負担能力(担税力)に応じて税負担を分かち合うということです。
「中立」の基準とは、税制ができるだけ民間の経済活動を歪めないようにするという意味です。
「簡素」の基準とは、税制の仕組みはできるだけ簡素化し、税金を払う人が理解しやすいものにすると同時に、税金逃れを出させないように税負担の計算を簡単にするという意味です。
この三原則を踏まえて、税制は経済活動に影響を与える制度として安定性を求められる一方で、経済社会の構造変化に伴って、抜本改革が求められるこ
とになります。
そんな時、与党は追加経済対策として、二兆円の定額給付金の支給を決定しました。
財政が厳しいから社会保障費負担を増大させ、社会保障の給付は引
き下げているお国の台所から、2兆円もの金をひねり出すのはいかがなものか。巷間言われるような、選挙目当てのバラマキでしかないように思われます。
最大の問題点は、今回の定額給付金の目的がよくわからないことです。
景気浮揚策の意味だとは思いますが、一回限りの付け焼刃の政策で、この厳しい経済環境を打破できるとは思えません。
給付方法にも大きな問題を抱えており、これも「公平・中立・簡素」の原則で実施して欲しいものです。
いずれにしても財政情勢が厳しいならば、お金はもっと有効に使って欲しい。一時の甘い給付金より、抜本改革による経済対策を構築していただきたいと思います。
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