石渡宏道のひとりごと 代表コラム
音楽の贈り物
私は楽器の中ではバイオリンとピアノが大好きです。もちろん聴くほうの専門です。
特に50年ほど前に、クラシック音楽喫茶が流行っていたころによく聴いていたベートーベンの「ロマンス」は、今でも就寝前によく聴いています。
ベートーベンと言えば、「運命」や「田園」で知られる交響曲が有名ですが、この「ロマンス」はバイオリン協奏曲で抒情豊かな非常にゆったりとした小曲です。
バイオリン協奏曲は、メンデルスゾーンとブラームスとこのベートーベンの作品が3大バイオリン協奏曲といわれています。チャイコフスキーも有名ですが、私個人はバイオリン協奏曲の王者ともいわれるベートーベンの支持者です。
曲もさることながら、ベートーベンの人間性に共感できることもその一因です。
ベートーベンは、貧困の家庭に生まれて少年期から苦労を強いられていました。
親の愛情も十分に受けられず、身内との確執にも耐えて、いくつかの恋愛も成就しませんでした。加えてベートーベンの苦悩は30歳近くになって難聴が襲います。それらの困難・障害を、作曲に思い切りぶつけたのではないかと思います。
今年6月、アメリカテキサス州で開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さんの快挙の一報には、思わず感動を覚えました。
音楽への情熱を鍵盤にぶつける姿は、ベートーベンのそれと相通じるものがあります。
彼は「僕は全盲のピアニストではなく、ピアニストである僕がたまたま全盲なんだ」と言っています。
目に見えるもの、音で聞こえるものだけで判断するのではなく、心や感性を磨かなければと教えられました。
辻井伸行さんのピアノは「幸せな気分になれる」と言われています。プロの仕事人の一人として、20歳の好青年から大きな贈り物をいただきました。
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