石渡宏道のひとりごと 代表コラム
平成維新
新政権の鳩山首相は所信表明で、今回の政権交代は黒船という外圧がない「無血の平成維新」という表現をしていました。
明治維新は、江戸城の無血開城に見られるように諸外国のような激しい革命の中から誕生したものではありませんでした。しかし、黒船来航から西南戦争までの25年、世界の奇跡とまで言われるくらいのスピードで近代化をなしえた先人達は、命を懸けて明治維新を成就させました。
我々はこの厳しい現代、歴史からこの事実を学び、平成維新が本当に実現される事を注目していかなければ、明治維新の志士たちの志の高さと行動力に申し開きができません。
明治維新は歴史の必然、時代の要請から生まれたものです。19世紀に入ると長年にわたる江戸幕府の統制力の緩みや、制度の綻びが出てきました。天保の大飢饉に代表されるような庶民の怒りの連鎖が広まっていったのです。
そして、明治維新に至る最も大きな要因は「黒船」の来航ではないでしょうか。時の老中、阿部正弘はペリーの開国要求に大いに戸惑い、あせり、朝廷はじめ諸藩や市井からも広く対応策を求めた結果、雄藩の政治介入を招くことになったのです。いわゆる幕府にガバナンスが無くなってきたのです。
今までは幕藩体制下で抑圧されていた外様大名が国政に対して発言力が増してきた結果、西郷隆盛、坂本龍馬、桂小五郎といった身分や年齢にとらわれない人材登用が活発化し、明治維新の大きな原動力になったのです。そして倒幕、廃藩置県、四民平等に代表される封建制の解体があったからこそ、明治維新は成功したのでしょう。
そして今、平成維新を促す「黒船」のような外圧は本当にないのでしょうか。
大量の失業者、年金をはじめとした社会保障不安等は「天保の大飢饉」に当たり、アメリカの弱体化に端を発した100年に一度の経済危機が「黒船」そのものではないでしょうか。外圧がない、無血だと呑気なとらえ方では平成維新を成し得ることができないと考えます。
政党の勝ち負けや、事業仕分けやバラマキ政策等小さな視点や政策ではなく、為政者が平成維新というのであれば、明治維新を成し遂げた先人の「覚悟」に学び、私心を捨て、公の志を高く持って抜本革新に命を懸けていただきたいと思います。
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