石渡宏道のひとりごと 代表コラム

石渡宏道のひとりごと 代表コラム

日本航空

株式会社日本航空の法的整理問題が新聞、テレビ等で報道されています。
JALの存続を含め、ユニオンフラッグが二つ必要か、再建不可能ではないかという議論がありましたが、昨年は企業再生支援機構という聴き慣れない国の許可法人が日本航空の再建に取り組み始めました。皆様にもこの機構からJALマイレージサービスは継続して使用できるアナウンスが伝わっているはずです。

今年になって京セラの稲盛和夫名誉会長が日本航空のCEOに就任を受諾しました。「企業再生支援機構」は政府と金融機関が出資した株式会社で、その役割は5年で業務終了する、いわゆる公的機関です。

一方、稲盛和夫氏は私が最も尊敬している経営者の一人で、一代でグループ企業1兆円企業に育て上げたカリスマ経営者です。私は稲盛和夫氏が主宰する「盛和塾」に所属したことがあるので、稲盛塾長の手腕・人柄は十分理解しているつもりであります。

公的機関の「機構」といい、経営者・哲学者の稲盛和夫氏といい、日本航空の再建には条件が整ったかに思われますが、果たしてそんなに簡単に再建できるかと、疑問に思っております。懸念することをいくつか列挙してみます。
1) JALは約60年続いてきた古い体質(典型的な官僚組織)であること
2) 人事をはじめ経営に政治家・官僚・財界人の思惑が介入し過ぎた企業であること
3) 社員の高額報酬
4) 乗客の安全対策の軽視(事故多発体質)
5) 労働組合の非協力
6) ユニオンフラッグのおごり等組織は硬直化し、相当腐敗していると思われる

経営の神様と言われたドラッカーは「人間の平均寿命は伸びる一方だが、組織の平均寿命は着実に短くなっている。組織・企業が繁栄できる期間は確実に短くなる。歴史的に見て30年以上繁栄した企業は・組織はあまりない」と言っています。もちろん100年繁栄している企業もあるでしょうが、そうした企業は常に抜本的に個人・組織革新を断行しています。

日本航空は呆れるほど変わらない企業だと言われています。今や変わらないこと自体が企業・組織のリスクそのものになる時代です。
明日のわが社が「日本航空」にならぬよう、自社の抜本革新に取り組み、厳しい経済環境を乗り切って行きましょう。

過去のコラム

更新月 タイトル
2010年7月 天使の歌声
2010年6月 リーダーシップの本質
2010年5月 仏師 石渡康運
2010年4月 トヨタの危機
2010年3月 増税議論と為政者の責任
2010年2月 日本航空
2010年1月 新春にあたり
2009年12月 平成維新
2009年11月 モラトリアム
2009年10月 見える化
2009年9月 資産づくりを応援します
2009年8月 音楽の贈り物
2009年7月 朝礼で一日の活力を得る
2009年6月 横浜開港150周年
2009年5月 比叡山延暦寺
2009年4月 資産の運用、管理、保守
2009年3月 監査役の勇気
2009年2月 ヒトが財産
2009年1月 統合の思想
2008年12月 二兆円の定額給付
2008年11月 東アジアの時代
2008年10月 倒産
2008年9月 鶴見の歴史
2008年8月 偽装問題
2008年7月 学会
2008年6月 古都鎌倉
2008年5月 長寿社会の医療問題
2008年4月 熱い夏
2008年3月 地球温暖化問題
2008年2月 課題の解決
2008年1月 組織の品格
2007年12月 司馬温公の教え
2007年11月 自己革新と組織革新
2007年10月 金融商品取引法に際して
2007年9月 残暑お見舞い申し上げます ~2007年夏~
2007年8月 偽装事件から内部統制の必要性をみる
2007年7月 定年退職後 〜マネープランを立てる〜
2007年6月 2回目 定年退職後 〜セカンドライフの充実〜
2007年6月 企業の社会に対してその存在理由 〜CSRの取組み〜
2007年5月 今年の申告から特に気になったこと
2007年4月 横浜の活性化のために
2007年3月 寒中お見舞い申し上げます
2007年2月 昨年の流行語大賞
2007年1月 激動の2006年 そして2007年へ
2006年12月 横浜商工会議所の2号議員に就任しました
2006年11月 新会社法の私的見解
2006年10月 コンビニ業界のスクラップアンドビルドから学ぶ
2006年9月 残暑お見舞い申し上げます