石渡宏道のひとりごと 代表コラム
トヨタの危機
アメリカ議会公聴会で、トヨタ自動車の豊田章男社長が謝罪する場面を見て、企業とはなんと脆く、厳しいものかを感じたのは私だけではないと思います。
2年前には、アメリカの最強の企業ゼネラルモータース(GM)を抜いて世界一の自動車メーカーに躍進した企業です。その世界最強のブランドが何故大きな信頼を損ねたのか?考察してみたいと思います。
そもそもリコール問題の発端は昨年のサンディエゴで起きたレクサスの急加速による死亡事故にあります。車の構造上の欠陥を軽視し、消費者から大きな反発を買ったのです。
また、顧客の視点が欠けたまま、問題が深刻化しているにもかかわらず、最高責任者の豊田章男社長の責任者としての対応が遅すぎ、不信感を増幅させたものと思われます。
トップは常に責任者としての心構えを持ち、行動をしなければ消費者をはじめとする、あらゆるステークホルダーは承知してくれません。
そして、このリコール問題よりさらに深刻なのは、トヨタの業績が天国から地獄へと急速に失速していることであります。
すなわち、一昨年には売上26兆円、経常利益1兆7千億円の業績を残していた世界ナンバーワンのエクセレントカンパニーが、昨年の連結決算で売上20兆5千億円、4千300億円の経常赤字に転落しています。結果、人員削減、賃金カット、社長交代等ガバナンスの欠如と社員のモラールの低下がトヨタを大きく揺さぶっています。
また、成熟しきった北米市場に依存し過ぎたことやアメリカの金融危機への対応が甘かったこと等モンスター企業の落とし穴にはまった感が否めません。
何より、ビックスリーに追いつけ追い越せを経営目標にして、中央集権(本社中心)の官僚体質に陥ったことが失速の大きな原因ではないかと思います。
ビックスリーの後を追い、大型車・高級車にエネルギーを注入するのでなく、トヨタと言えばカローラのごとく身の丈に合った車を市場に提供すること、すなわち原点回帰することでトヨタショックを乗り越えて欲しいものです。
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