石渡宏道のひとりごと 代表コラム
天使の歌声
今年もウイーン少年合唱団の来日公演が開催されました。ウイーン少年合唱団は、1498年に聖歌隊として結成され、シューベルトやハイドンも在籍していた500年以上の歴史を誇る世界の至宝と言われる少年合唱団です。
当時の日本は室町時代から戦国時代に突入しようという時代でありました。同じ時期にして「天使の歌声」ともいわれる少年合唱団が誕生していることには、島国である日本文化と大陸であるヨーロッパとの文化の違いを改めて感じさせられます。
そのウイーン少年合唱団が初めて日本に来たのは、1955年(昭和30年)12月でした。
当時、私は小学校の6年生で、その初公演に行った時の感動を今でも忘れません。
明るく、きびきびと背筋が伸びた合唱団で、少年なのになぜあんなに高い声が出るのか、まるで、空から降ってくる歌声に身も心も包まれているような不思議な感覚でした。場所はおそらくNHKホールだったのではないでしょうか。
今の私は声も悪く音程も不確かではありますが、小学校5年生から2年間少年合唱団に所属していました。かねてよりウイーン少年合唱団にあこがれていた西六郷小学校の鎌田典三郎先生が合唱団を立ち上げ、その一期生として入団したのであります。
当時は“こどもラジオ音楽コンクール”なるものがあり、出場しては落選という、散々たる合唱団でありましたが、鎌田先生の情熱は衰えることなく、私どもが卒業してから数年後に少年少女合唱団として小学校の部で日本一に輝き、その後数々のコンクールで入賞しました。
鎌田先生は1999年、まだ70歳半ばでご逝去されましたが、亡くなる直前まで指揮を執っていらっしゃいました。
私は、鎌田先生から音楽を愛する純粋な気持ちと、一つの事をやり遂げる情熱を教わりました。
当時の気持ちを忘れることなく、晩年になっても少年のように邪気のない人生を全うしたいと思う今日この頃であります。
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