
2007年 4月
特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入
18年4月1日以後に開始する事業年度)から、新たに新設された『特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入』制度による課税が始まります。いわゆるオーナー会社については、オーナー役員(業務主宰役員といいます。)の給与のうち一定額は法人税の計算上の経費とすることを認めないという法律です。
アイ・パートナーズでは、これまでお客様ごとに個別に対策を練って対応してまいりましたが、ここでもう一度制度の内容をご説明します。
貴社は課税されるのでしょうか?
決算日時点の現況で判定してください

課税される会社は……増税
上図での判定の結果、課税されることになった会社は、右の図の「損金不算入となる金額」で計算した金額が法人税法上の経費になりません。
例えば、その期のオーナー役員の給与が960万円の場合ですと、9,600,000円×0.1+1,200,000円=2,160,000円が経費にならずに課税対象になります。
これに、法人税 等の税率を約40%で計算すると2,160,000円×40%=864,000円となり、この金額が増税となります。
今までの法人税や地方税、消費税の納税に加えて、さらにこの金額の納税というのはかなり厳しい負担の増加と言えます。
また、業績は例年通りでも、税引き後の利益が赤字に転じてしまう会社も出てくるのではないでしょうか。

(国税庁のタックスアンサーより抜粋)
対策とそのリスクについて
では、この課税の適用を受けないようにするには、どうしたらよいのでしょうか?
この規定は「同族会社」のうち、「特殊支配同族会社」に対してのみ適用される法律ですので、「特殊支配同族会社」に該当しないように①オーナー一族の持株割合等を90%未満にする、②常務に従事する役員のうち、常務に従事するオーナー一族の役員の割合を50%以下にするという二通りの方法が考えられます。
しかし、安易に株主構成や役員構成を変更してしまうと、その後の会社経営に支障をきたすおそれもありますので、慎重な判断が必要です。オーナー会社の利点でもあるオーナーによるスピード経営を重視し、あえて対策を取らずに納税するというのも一つの考えかもしれません。
他人の株主が加わるリスク
オーナー会社の中には、これまで役員=株主であったため株主総会が形骸化している会社も多いですが、このような会社はこれまで以上に会社法に基づいた適正な株主総会の開催が求められます。
また、議決権数が3%以上の株主には「少数株主権」というものがあり、会計帳簿の閲覧請求権や検査役の選任請求権などがあります。さらに、株主は取締役の不正などの責任追及等の訴えを会社に対して起こすこともできるため、透明性のある経営が求められます。
他人の役員が加わるリスク
取締役会を設置していない会社については、取締役が会社の業務を執行するため、業務の決定は多数決で決まります。
したがって、過半数の賛成が得られない場合は、業務の決定ができなくなります。
また、取締役会を設置している会社においても、取締役は取締役会の一員として会社の業務の意思決定を行う立場にあるため、オーナーの意向をすべて反映できるとは限りません。
今回のポイント!!
適正な対策をすれば節税は可能かもしれませんが、経営上のリスクが伴うため、長期的な視野に立った総合的な判断が必要です。
今後、株主や役員の構成に変更がありますと税金の計算に影響がでる可能性がありますので、変更があった際にはアイ・パートナーズの監査担当者にお知らせください。
