
2007年 5月
営業道のススメ 2
場当たり営業からサヨナラしよう!
みなさんこんにちは。売上アップ研究所の辰巳です。今回は1月号の続きということでアプローチからクロージングまでの実行レベルにおける作戦の立て方をお話したいと思います。
前回、営業とはお客様のご利用目的と自社の与える価値とのフィッティングだとお話をしました。営業の基本5段ステップになぞらえて、解説していきます。
お客様のご利用目的を仮説してリストアップ
どこにアタックしようか・・・と考える際、当然買ってくれそうなお客様をリストアップしますよね。言い換えれば「買う理由を持つお客様」を逆説的に考えます。これが目的を仮説したリストアップ行為です。この目的を仮説するという行為をもっと細かくすると見込み客になる確率は飛躍的に向上します。
極端な例ですが個人宅向けの「布団営業」をイメージしてみましょう。「個人宅は全部がお客様だから全部のお宅をガンガン訪問しましょう!」では決して間違いではありませんが、見込み獲得の確率は非常に低く、たくさん回ってもたくさん断られるので身も心も疲弊してしまいます。
ではどうすればいいのでしょうか。
自社の布団は高級羽毛で夏は涼しく冬は暖か。自社の布団は値段も高めなので、ちょっと裕福そうなお宅に売り込みに行こう・・・と考えたとします。こう考えるだけでアタック先はぐっと狭まります。アタック先を具体的にイメージしているのでお客様との共通言語も見出しやすいですよね。
ではもっと具体的にしましょう。
裕福そうな人ってどんな人でしょうか。家庭を持った裕福な人と家庭を持たない裕福な人がいますよね。最近は働く人口も男女問わず増えているので、ストレスを抱えがちな社会です。そういう社会背景を後ろ盾に、時間が短くてもぐっすり眠れる羽毛布団という触れ込みで売ってみましょう。「最近の社会人はストレス社会に疲れ。ふだんの寝つきも悪く、時間が短くてもぐっすり休みたい!という欲求を持っているのでは?」と仮説を立ててみました。だとすると単純に「布団どうですか?」ではなくなるのでよっぽど営業活動らしくなりそうです。
だんだんアプローチのイメージが湧いてきました。ご主人様の仕事ストレス、奥様の子育てストレスまたは家庭内ストレスなどがアプローチネタとして仮説を立てることが出来ます。
アプローチ
それでは実際にアタックしてみましょう。
最近ではオートロックの家が多いのでピンポン(呼び鈴を押す意)営業が難しくなっています。日中は不在がほとんどだし、一人暮らしでオートロックだと警戒心も人一倍強いことが容易に想像できるのでピンポンしてすぐ売れるわけはありません。そのあたりの事実は冷静に認識したほうがいいでしょう。
夜にピンポン営業をやるのではなく、日中(できれば夕刊が入る時間以降)にチラシをポスティングしましょう。このチラシも出来合いのものはダメです。ちゃんとそれ用に作ってポスティングを行いましょう。
なぜ夕刊配達以降かというと、夕刊で埋もれたりすると見られることなく捨てられる可能性が非常に高くなるので、最初に目に留まるように工夫しましょう。
日中は裕福そうなご家庭にピンポン営業すればいいのです。一人暮らしの家は当たり先を絞ってそれほど遅くない夜間に行けばいいでしょう。
もっと言うならチラシのポスティングで反響を待つのも手かもしれません。ここでは書けませんが、反響のあるチラシづくりは可能です。
ヒアリング
布団を売るのはあとで構いません。こちらの立てた仮説をぶつけてみてください。インターホン越しでまったく問題ありません。その家にピンポンしている理由をそのまま話せばいいのです。
「このエリアに在住のご家庭に睡眠についていくつかお聞かせいただいているのですがインターホン越しでかまいませんのでいくつかお聞かせいただいてよろしいでしょうか?」でいいのです。
「最近、働く皆さんがストレスと戦って、眠りが浅いとお伺いすることが多いのです。お宅のご主人様(一人暮らしの場合はお客様)はどうおっしゃってますか?」こちらの仮説どおりに話が進むようだったらまずは距離が短くなったといっていいでしょう。
この会話のキャッチボールがとても重要です。布団の営業であることは伝えてもいいですが、売りに来たと思われてはいけないことだけわかってください。
プレゼンテーション
相手の状況がたくさんわかれば自社の商品の話が進めやすくなるので、インターホン越しのままでかまわないので「カタログおいて帰りますからぜひ見てみてください。」
とだけ言ってその日は帰りましょう。
売り込まれなかった安心感・安堵感が次のアクションを容易にします。
クロージング
必ずしも一回で決まるものではないので、カタログ置いて帰ったあと3日くらいたったらもう一回行ってみましょう。
コンタクトが取れれば最悪カタログの感想くらいは聞けるかも。
あとは日ごろ鍛えた売り込みトークを3日前とは別人にならない程度にがんばってみてください。これを数回繰り返せば、売り方は変わりますし、成約率も飛躍的に上がります。
いかがでしょうか。とかくガンガン行きがちな個人宅営業ですが、このように戦略的に考えて動くと、もう少し楽しいものになるのではないでしょうか。
紙面の都合もあり、もっと具体化させたいこともたくさんありますが、前回から続く思考と行動をうまく合わせれば営業活動ももう少しやりがいが出てくるはずですよね。その先には売上アップがあります。
まとめ
・ 仮説は相手と共通言語を持って話せそうな題材を抽出する。
・ 会話はリサーチのように会話を重んじながら相手の警戒心を解く。売り込んではならない。
・ 共通言語で会話が出来、リサーチ内容から相手のことが分かってきたら相手の状況に合わせて自社商品の紹介を軽くしながらさらに距離を詰める。
・ ほどよく詰まったらカタログを置いて帰り、数日後また行って今度はカタログを共通言語にして会話を展開してドアを開けてもらう。
もうおわかりかとは思いますが営業活動で大事なのは商品知識や営業経験、押しの強さではなくあくまでお客を知る心です。心や思考をベースに知識やトークが入ってきて営業行為が成立するのです。
売上アップ研究所 辰巳 いちぞう
