2007年 6月 2回目

平成19年税制改正について

減価償却制度

早期の損金算入額が増えます!

平成19年の税制改正の目玉はやはり、減価償却制度です。国際競争力・経済成長力の強化を図るため、平成19年4月以降取得(使用開始)の有形固定資産について償却可能限度額が撤廃され、残存価額1円まで償却が可能になり、定率法の償却率も大きく変わりました

図1 諸外国・新制度との比較



具体的に「耐用年数10年、取得価額1000万円」の資産を、定率法で減価償却費の算入額を計算すると



となります。

旧制度に比べて早期に償却費を大幅に計上できるようになりました。
また、平成19年3月以前取得のものについても法定耐用年数終了後、残存価額を5年間で均等償却できるようになりました。


住宅ローン減税

原則、税源移譲による住宅ローン減税の受け損ないはありません!

所得税から住民税への税源移譲(税率の変更)により中低所得者層の所得税が減少することになります。そのことにより、住宅ローン控除を控除し切れなくなり、住宅ローン減税が減少する可能性がでてきました。

そのため、住宅ローン減税の効果を確保するため、住宅ローン減税控除率を引き下げて、控除期間を10年から15年に延長する特例が創設されました。
なお、この制度は平成19年・20年入居者に限った特例措置であり、現行制度との選択制です。

平成11年から平成18年までに入居された方については、税源移譲により減少する住宅ローン減税相当額を申告により、平成20年分以降の住民税から控除することが出来るようになっています。



中小同族会社に対する留保金課税制度からの除外

19年4月1日以降開始の事業年度より適用です。
特定同族会社(大体のイメージとしては、家族だけで経営をしているような会社)の留保金課税制度について、適用対象から中小企業(資本金又は出資金の額が1億円以下の会社)を除外されます。
これは、設備投資などの資金となる資本増加を促進し、景気低迷下での中小企業の体力強化を目的としています。

この計算により、法人税にプラスされて課税されていたものが、資本金等が1億円以下の法人については、適用除外になります。


相続時精算課税制度

相改正された点を見る前に相続時精算課税制度とは何かを見たいと思います。

相続時精算課税制度とは、高齢者の保有する資産を次世代に円滑に移転させることを目的に作られました。本来なら、贈与をすると非常に高い贈与税を払うことになりますが、この制度を使うと相続時に必ず精算(相続財産に加算)することを前提に2500万円まで非課税にするとができます。

適用要件がいくつかありますが、今回の改正と一緒に表にして示したいと思います。

今回の改正は、取引相場のない株式等(大体のイメージとして上場・店頭公開をしていない株式等)にかかる特例の創設で中小企業の早期の事業承継を支援するものです。 なお、適用期間は、現在のところ平成19年1月1日から20年12月31日であり、比較的短いので注意してください。



なお、贈与を受ける方は、20歳以上の人が対象です。

特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度

19年4月1日以降開始の事業年度より適用開始です。

実質的な一人会社のオーナー役員への役員給与の一部を損金不算入とする制度について、適用除外基準である基準所得金額が1,600万円(改正前:800万円)に引き上げられます。

基準所得金額とは、簡単に説明すると法人の所得とオーナー役員の給与を足した金額の3年間の平均を表します。
例えば、改正前はオーナーの役員給与が800万円であれば、法人所得が1円でもあればこの制度に掛かっていました。それが1,600万円までは適用除外にしますというものです。