2007年 7月

平成19年からの所得税と住民税の税制改正/退職金の税金について

平成19年からの所得税と住民税の税制改正について

6月の給与明細の住民税欄や、ご自分で納める方は住民税の納付書を見て驚かれた方も多いと思います。
これは改正があったためです。今回はその内容を見ていきましょう。



住民税改正概要

いつから?
所得税 平成19年1月徴収分から
住民税 平成19年6月徴収分から

なんで改正?
国から都道府県・市区町村への税源移譲が行われるためです。
地方公共団体(都道府県・市区町村)が自主的に財源の確保を行い、住民にとって真に必要なサービスを自らの責任でより効率的に行えるよう国税から地方税へ、税そのものの形で3兆円の税源移譲を行うことになったためです。

住民税+所得税で税額は高くなる?
ほとんどの納税者は、所得税が減る代わりに6月から住民税が増えます。 ただし、これはあくまで税源を移す措置なので、所得税+住民税の負担総額は基本的に変わりません


夫婦+子供2人の場合、子供のうち1人が特定扶養親族(注1)に該当するものとしています。
一定の社会保険料が控除されるものとして計算しています。

例)の表は税源移譲による負担変動を示すものです。このほか平成19年分所得税、平成19年度分住民税から定率減税が廃止される等の影響があることにご留意ください。
(総務省ホームページより)

(注1)特定扶養親族とは扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が満16歳以上満23歳未満の人をいいます。

住民税で何が改正?

住民税の所得割税率の10%統一
住民税の所得割の税率は、課税所得の金額に応じて3段階(超過累進構造)に分けられていましたが、 課税所得の多少に関わらず一律10%(比例税率構造)に統一されます。


図中の税率は、都道府県民税と市区町村民税を合わせたものです。

定率減税廃止
平成11年から実施されてきた定率減税が、所得税については平成19年1月徴収分から、住民税については平成19年6月徴収分から廃止になります。

調整控除(平成19年度分住民税から適用)
所得税より住民税の方が、基礎控除や扶養控除等の人的控除額が低く定められていることから、同じ所得金額でも、課税所得金額は住民税の方が所得税よりも大きくなります。

したがって、住民税の税率を5%から10%に引き上げた場合、単純に所得税の税率を10%から5%に引き下げただけでは、税負担が増えてしまうことになります。
このため、個々の納税者の人的控除(注2)の適用状況に応じて、住民税の所得割額から一定の額を控除する調整控除が設けられます。

つまり、所得税を下げ住民税を上げて合計納付額を変わらないようにするために調整をするということです。

税源移譲時の年度間の所得の変動に係る経過措置(平成19年度分住民税のみ適用)
平成19年中の所得が大きく下がり、所得税がかからなくなってしまった場合、平成19年度分の住民税(平成18年中の所得で計算)で税負担が上がった分を平成19年分の所得税で調整することができなくなってしまいます。
このため、平成19年度分の住民税を移譲前の住民税額まで減額する経過措置が設けられます。

(注2) 定率減税とは、日本の「平成11年度税制改正」において家計の税負担を軽減する目的で導入された恒久的な減税のこと。
所得税については税額の20%相当(25万円を限度)が、個人住民税では税額の15%相当(4万円を限度)が控除されるという制度。
平成11年に景気対策のために恒久的減税として導入された制度ではあったが、その後の税制改正により平成18年分は、所得税については税額の10%相当(12万5千円限度)、個人住民税では税額の7.5%相当(2万円を限度)が控除されることになり、従来より軽減率が半減され、2007年(平成19年)以降については廃止されることになった。

納税者本人の家族状況に基づく所得控除額。基礎控除をはじめ扶養控除や配偶者控除などがある。


退職金の税金について

アイ・パートナーズでは、監査担当者が退職金の税金についてよく質問を受けます。給与の計算と比較しながら解説していきましょう。



退職金の税金

退職金には所得税と住民税がかかります。ただ、退職金の性質を考慮した緩やかな課税となっています。
ゆるやかと言われる理由は、退職金所得控除と2分の1課税です。退職所得額は、以下のように算出します。


・勤続年数に端数がある場合は、たとえ1日でも1年として計算します。
・勤続年数に関わらず、最低80万円の控除があり、この金額までは、退職金の税金はかかりません。
・障害者となったことに起因して退職する場合は、さらに100万円の控除があります。

退職金の税金は源泉課税

退職金の税金への課税は、源泉徴収で行われます。
勤務期間などを記載した「退職所得の受給に関する申告書」を従業員に書いてもらう必要があり従業員が会社に提出した場合は、所得税と住民税が天引きされます。

しかし、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出しなかった場合には、退職金の支給額に対して、単純に20%もの金額が源泉徴収されます。

以上が退職金の税金に関してでありますが、退職金は長年勤務してきた報償的なものですし、退職後に大事な資金となりますので余分な税金を取られないように注意しましょう