2007年 10月

地震保険と地震保険料控除

ほとんどの皆様は、火災保険に加入されていると思いますが、ご承知のとおり、火災保険では、地震を原因とする火災による損害や地震により延焼・拡大した損害は補償されません。

地震損害による金銭的損失を補填するには、地震保険に加入しなければなりません。

税制面において、平成18年度税制改正で地震保険料控除が導入されました。

これは、日本が地震大国であり、今後大地震発生の可能性が高いことを考慮し、地震保険を普及させていきたいという政府方針のあらわれだと考えられます。地震はいつ起こるか分かりません。地震保険にまだ未加入の方は今後ご検討されてはいかがでしょうか?

今回は地震保険、また地震保険料控除についてご説明いたします。



地震保険について

1・地震保険の対象

保険契約の対象は、住宅と住宅内の家財のみです。



2・補償内容

地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による建物や家財の損害を補償します。



3・保険金額

地震保険の保険金額は、主契約である火災保険の保険金額の30%から50%に相当する金額で、かつその限度額は建物5,000万円、家財1,000万円とされています。



4・火災保険に自動付帯

地震保険は、火災保険に付帯する「特約」となっています。原則自動付帯となっており、「地震保険を申し込みません」と意思表示しなければ基本的には自動的に付帯されます。



地震保険料控除について

平成18年度の税制改正を受けて、「地震保険料控除」が創設されました。
所得税については平成19年度分以降から、個人住民税については平成20年度から適用されます。



1・控除額

その年中に支払った地震保険料の金額の合計額が控除されます。
(所得税50,000円、住民税15,000円が控除限度額となります。)



2・経過措置

平成19年度から「損害保険料控除」は廃止されますが、長期契約については特例措置がありますので、調整が必要です。
「長期契約の特例措置」とは平成18年12月31日までに締結した契約で、保険期間が10年以上、満期返戻金がある契約については、従来の「損害保険料控除」(所得税15,000円、住民税10,000円が控除限度額)が受けられるというものです。



3・地震保険料控除対象外の保険商品

平成18年度まで「損害保険料控除」の対象になっていた全国生協連の「新型火災共済」が、地震時の給付が加入額の20%に満たないという理由で「地震保険料控除」の対象外になりました。その他、平成18年度まで「損害保険料控除」の対象になっていた共済商品のうち、平成19年度からの「地震保険料控除」の対象になるものとならないものがありますのでご注意下さい。

なお、詳細は保険会社から送付されてくる控除証明書でご確認下さい。



リスクについて

リスク(risk)とは日本語で「危険」と訳されますが、もとは、イタリア語のrisicareという言葉に由来します。
この言葉は「勇気を持って試みる」という意味を持っています。

会社経営をしていく上で、私たちは、潜在する危険に気づいていないことがあります。また危険の存在に気がついていたとしても、直視することを避け、危険な状態のまま放置してしまっている場合があります。

しかし、この状態を放置しておくと、いざ危険が現実化した場合、大損害が生じ、会社の存続が脅かされてしまうかもしれません。現代は情報化社会であり、また変化の激しい時代です。今まで考えていなかったような危険が潜んでいるかもしれません。

私たちがするべきことは、まず会社にとってどのような危険な存在するかを発見し、その対策を立てることです。

しかし、対策を立てるだけでは意味がありません。重要なのは、「リスク」という言葉の本来の意味である、「勇気を持ってその対策を実行していく」ことなのです。

今回は、企業が直面するリスクとその対応策をについてご説明いたします。



企業が直面するリスク


企業が直面するリスクは大きく2つに分類されます。純粋リスクと投機的リスクです。



1・純粋リスク

火災、爆発のような自然科学的要因に基づくリスクで、特徴としては、統計的把握がしやすく、自然学的対策により減少可能なものです。
また発生すると損失のみを受けます。
具体的には


  • 財産損失のリスク
    動産、不動産の直接または間接的な損失
  • 収入減少のリスク
    生産や営業の中断、休業など
  • 賠償責任リスク
    製造物責任、役員賠償などに起因するもの
  • 人的損失リスク
    経営者・従業員の病気、ケガ、死亡などに起因するもの


2・投機的リスク

政治的、経済的変動のような、社会科学的要因に基づくリスクで、特徴としては、統計的な把握予測および自然科学的対応が難しいものです。
また、企業は損失を受けることもありますが、利得のチャンスもあります。
具体的には


  • ビジネスリスク
    景気の好不況、戦争、政府政策の転換、法律の改正など

以上企業が直面するリスクについて見てきました。

次にリスクの発見・分析・処理方法についてご説明いたします。



リスクの発見・分析・処理方法


1・リスクの発見

企業が最初に取り組まなければならないのが内部情報、外部情報を活用し、リスクを発見することです。内部情報には、財務データ、契約書、などがあります。

また外部情報には、専門の機関紙、業界の過去の損失記録などがあります。



2・リスクの分析

次の段階は、損害の規模はどのくらいか、損害の発生頻度は、また、損害額はいくらぐらいになるのか、などを分析することです。



3・リスクの処理

リスクの処理は大きく2つに分けられます。一つはリスクコントロールであり、もう一つはリスクファイナンシングです。


リスクコントロール

リスクコントロールとは事前に準備することで損害の頻度、損害の規模それ自体を減ら方法です。その中には、リスクの回避、損失防止、損失軽減、結合、分離、移転があります。以下それぞれについて解説いたします。

  • リスクの回避
    リスクの回避は、はじめからリスクを生じさせないこと、または直面しているリスクを消滅させることで、潜在的損失の発生頻度をゼロにすることです。
    例えば、商店の場合、可燃性の商品自体を置かないことで商品の燃焼による損失を防ぐことができます。しかしリスクは回避できますが、同時に利益のチャンスも失うことになります。
  • 損失防止
    これは、損失発生の頻度を減少させる方法です。例えば、セキュリティーを充実させ盗難を防ぐことです。
  • 損失軽減
    損失の強度を減らすことです。例えば、火災の発生に備え耐火扉やスプリンクラーを設置することで、損害を最小限に食い止めることができます。
  • 結合
    結合とは、損失の可能性がある危険単位の数を増やすことによって、危険に対する組織的な管理を可能にすることです。
    例えば、運送部門で車両自体が増えた場合、事故に対する危険は増しますが、部門自体が大きくなることで予算の獲得が可能になり、教育訓練を運送部門全体ですることができるようになると安全運転のレベルが向上します。
  • 分離
    分離とは、財物を分散し一箇所に集中させることを避けることで損失の規模を小さくする方法です。
    例えば、金融資産を外貨、円、金などに分けて保有することで、為替リスク、インフレリスクを軽減することができます。
  • 移転
    移転とは、危険にさらされている物や活動を他の第三者に移してしまうことです。
    例えば建物を売却し火災リスクをなくしてしまうことや、不動産売買契約で瑕疵担保条項をつけることで瑕疵があった場合、売り手責任を問うことができます。
リスクファイナンシング

リスクファイナンシングとは、損害が発生した場合の金銭的な損失に備え、事前に準備しておくことで、リスク保有とリスク移転があります。

  • リスク保有
    リスク保有とはリスクの存在を承知の上、内部にかかえこむ方法です。
    例えば、製品製造会社であれば、一定の製品保証期間を設けていますが、修理・交換に備え積立金を積み立てることです。
  • リスク移転
    リスク移転とは、リスクコントロールの移転とは違い、リスクの影響を、契約を通して第三者に転嫁させる方法です。
    例えば、保険契約を交わすことで、損害が発生した場合の経済的負担を、保険会社に移転させることができます

以上企業が直面するリスク、リスクの発見、分析、処理方法をご説明してきました。
それぞれに長所・短所があり、企業規模・業種の違いよって最適な処理方法は変わってくると思います。

会社の実態にあった方法を選択されるのがよいでしょう。