
2008年 7月
平成20年税制改正等
いわゆる「ねじれ国会」の影響により遅れが出ていた平成20年度税制改正について、主なものを掲載いたします。
1.上場株式等の譲渡・配当に関する税率
上場株式等の譲渡益・配当に係る10%(所得税7%・住民税3%)軽減税率が平成20年末をもって廃止(平成21年以降20%(所得税15%・住民税5%))になります。
その際、円滑に新制度へ移行する観点から、特例措置として、平成21年及び平成22年の2年間は、500万円以下の譲渡益及び100万円以下の配当については税率が10%(所得税7%・住民税3%)になります。
また、平成21年及び平成22年の2年間については500万円超の譲渡益及び100万円超の配当が出た場合には、原則として申告が必要になるので注意が必要です。

2.減価償却制度
減価償却制度について、次の見直しが行われました。
法定耐用年数について、機械及び装置を中心に、実態に即した使用年数を基に資産区分を整理するとともに、法定耐用年数が見直されました。
(耐用年数表参照※1)別ウインドウで表が開きます
なお、この改正は、既存の減価償却資産を含め、平成20年4月1日以後開始する事業年度(所得税については、平成21年分以後)について適用されます。
改正の概要
・改正前の法定耐用年数区分(機械・装置)は390区分であり新技術や新製品が誕生する度に適用する耐用年数等の問題が生じてしまうという不都合がありました。
見直しにより55区分 (日本標準産業分類の中分類)に大括り化し、使用実態等を踏まえた耐用年数に見直されました。
参考までにですが、国別に見るとこのようになっております。

見直しにより55区分となりましたが、他の先進諸国と比べまだまだ細かく規定されていることは一目瞭然です。
日本人の気質でしょうか・・・。
3.事業承継税制の改正点(H21年度改正予定)
事業承継の際の障害の一つである相続税負担の問題を抜本的に解決するため、非上場の自社株に係る相続税の軽減措置について、現行の10%減額から80%納税猶予に大幅に拡充するとともに、対象を中小企業全般に拡大されます。
●現行の10%減額の主な要件
<対象会社>発行済株式総額20億円未満の会社
<軽減対象の上限>相続した株式のうち、発行済株式総数の2/3または評価額10億円までの部分のいずれか低い金額
●80%納税猶予の主な要件
<対象会社>中小企業基本法上の中小企業(総額要件が撤廃となり対象が広くなりました)
<軽減対象の上限>発行済議決権株式総数の2/3以下(限度額は撤廃)
(1)適用時期
新しい事業承継税制は、正式には2009年度税制改正で創設されますが、「事業承継円滑化法(仮称)」の施行の日(2008年10月1日予定)以降の相続に遡って適用されます。
(2)納税猶予制度の内容
納税猶予を受けるためにはいくつかの要件を満たさなければなりません。
大きなものとして5年間の「事業継続要件」があります。
●5年間の「事業継続要件」⇒
後継者が代表者であること
雇用の8割以上を維持すること
相続した株式を継続保有すること
実際問題とすると、5年間にわたって事業継続要件を満たすのは、容易なことではありません。
この要件を満たさなくなると、猶予額の全額と利子税を納付しなければなりません。
事業承継税制 納税猶予の要件
【株式発行会社の要件】
・・・中小企業基本法における中小企業で、経済産業 大臣の認定を受けた同族会社であること。
【納税猶予税額の免除】
・・・事業承継相続人が納税猶予の対象となった株式を死亡時まで保有を継続した場合など、一定の場合には、その猶予税額の納税を免除する。
【納税猶予税額の全額納付】
・・・事業承継相続人が相続税の法定申告期限から5年以内(事業継続期間内)に、代表者でなくなる等により、経済産業大臣の認定が取り消された場合(事業継続要件に該当しないこととなった場合)には、その時点で猶予税額の全額を、利子税と合わせて納付する。
【事業継続要件】
・・・事業継続期間中(5年間)は、後継者が代表者であり、雇用の8割以上を維持し、かつ相続した株式を継続して保有すること。
【納税猶予税額の一部納付】
・・・事業継続期間の経過後に納税猶予の対象となった株式の譲渡等をした場合には、その時点で納税猶予の対象株式に対する譲渡株式の割合に応じた猶予税額を、利子税と合わせて納付する。
【経営者(被相続人)の要件】
・・・同族関係者と合わせて発行済み株式の50%超を保有し、同族関係者(事業承継相続人を除く)の中で筆頭株主であったこと。
【事業承継相続人の要件】
・・・経済産業大臣の認定を受けた中小企業者の株式を相続した者で、同族関係者と合わせて50%超を保有する筆頭株主であること。
(中小企業庁のホームページも参照して下さい。)
