経営者・経理担当者お役立ち情報
平成22年度 税制改正法案成立
POINT
●個人所得課税
・年少扶養親族(~15歳)に対する扶養控除(38万円)の廃止
・特定扶養親族(16~18歳)に対する扶養控除の上乗せ部分(25万円)の廃止
●法人課税
・いわゆる「一人オーナー会社課税制度」の廃止
●資産課税
・住宅取得等資金の贈与にかかる贈与税の非課税限度額(現行500万円)を平成22年は1,500万円、平成23年は1,000万円に引き上げ
1・個人所得課税 ~所得控除から手当へ~
“子ども手当”の創設、高校の実質無償化に伴い、扶養控除が見直されました。
原則、所得税は超過累進税率を適用して税額を計算する仕組みをとっています。同額の所得を収入から控除した場合、税率が高い方が実質的な軽減額が大きくなるため、これまでの所得控除制度では相対的に高所得者が有利になっていました。所得再分配機能回復の観点から、現物給付・無償化により相対的に支援の必要な人に実質的な支援を行うことを目指しています。
※平成23年1月分の給与から適用されます。
2・法人課税
平成22年4月1日以後に終了する事業年度より、いわゆる「一人オーナー会社課税制度」が廃止されます。
「一人オーナー会社課税制度」とは?
一人で株主と役員を担っているような同族会社で、役員報酬の一部を損金不算入にする制度です。この制度は、一人オーナー会社が役員報酬を自ら決めることで税負担の調整を図ることが可能であるという点を踏まえ、その役員報酬が法人の損金算入と個人の給与所得控除とで「二重控除」になっていることに対処するために設けられました。
なぜ、廃止になったのか?
この制度では二重控除の是正措置としては不十分であるため、今回の改正で廃止されました。平成23年度税制改正で抜本的措置が講じられます。
3・資産課税
住宅取得等資金の贈与にかかる贈与税の非課税限度額が現行の500万円から次のように引き上げられました。ただし、贈与を受けた者の合計所得金額は2,000万円以下に限り、適用期限は平成23年12月31日までです。
・平成22年中に住宅取得等資金の贈与を受けたもの…1,500万円
・平成23年中に住宅取得等資金の贈与を受けたもの…1,000万円
「住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の特例措置」を受けるには?
受贈者の要件
次の要件のすべてを満たす受贈者が非課税制度の対象となります。
(1) 次のいずれかに該当する者であること。
イ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること。
ロ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
(2) 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
なお、直系卑属とは子や孫などのことですが、子や孫などの配偶者は含まれません。
(3) 贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること。
住宅取得等資金の範囲
住宅取得等資金とは、受贈者が自己の居住の用に供する一定の家屋を新築若しくは取得又は自己の居住の用に供している家屋の一定の増改築等の対価に充てるための金銭をいいます。
なお、一定の家屋※1の新築若しくは取得又は一定の増改築等※2には、その家屋の新築若しくは取得又は増改築等とともにするその家屋の敷地の用に供される土地や借地権などの取得も含まれます。
ただし、受贈者の一定の親族など特別の関係のある者との請負契約その他の契約に基づく新築若しくは取得又は増改築等の対価に充てるものは、非課税制度の対象となる住宅取得等資金には含まれません。
※1 「一定の家屋」とは、次の要件を満たす日本国内にある家屋をいいます。なお、居住の用に供する家屋が二つ以上ある場合には、贈与を受けた者が主として居住の用に供すると認められる一つの家屋に限ります。
イ 家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上であること。
ロ 購入する家屋が中古の場合は、家屋の構造によって次のような制限があります。
(イ) 耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
(ロ) 耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
ただし、地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして、一定の「耐震基準適合証明書」又は「住宅性能評価書の写し」により証明されたものについては、建築年数の制限はありません。
ハ 床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。
※2 「一定の増改築等」とは、贈与を受けた者が日本国内に所有し、かつ、自己の居住の用に供している家屋について行われる増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替その他の工事のうち一定のもので次の要件を満たすものをいいます。
イ 増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。なお居住用部分の工事費が全体の工事費の2分の1以上でなければなりません。
ロ 増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。
ハ 増改築等後の家屋の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上であること。
非課税制度を受けるための手続き
非課税制度の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税制度の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に計算明細書、戸籍の謄本、住民票の写し、登記事項証明書、新築や取得の契約書など一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。







